第25回国際ポットラックサロン「新おもてなし考」
2007年10月3日(晴れ)
―ジョロウグモの世界―
語り手 徳本 洋さん
ここ数年、なにかと話題の異常気象。そのせいか我が家でも蜘蛛が大発生というメンバーの声からスパイダーマン・徳本さんにお越しいただきました。
ここ国際交流サロンは美しい庭でも有名です。そして、ここに網をはっているジョロウグモが数匹いました。
サロンの庭で
まず、この庭での観察から始まって、どこでもみられるジョロウグモを材料に、自然界の不思議の数々を教えていただきました。
ジョロウグモ 徳本さん撮影
メスの網の中にこんなに小さなオスが何匹も入り込んでいることを、初めて知って参加者の驚いたのなんのって。性フェロモンのなせる業だそうです。
網の糸はみな粘る糸ばかりでできていると思っていましたが、粘るのは網の横糸だけで、他の糸はまったく粘らないそうです。
一度さわってみてください。
「クモの糸は地球上に存在する繊維の中では最強のもので、クモの糸の合成に人類が成功し、もっと太いクモの糸をつくれるようになれば、いかなる金属よりも強く、最強の繊維といわれるナイロン繊維よりさらに強い繊維を手に入れることになる」
自然界の不思議に、芥川の「蜘蛛の糸」を連想したり、ただただ驚いたり感心したりの参加者一同でした。
次々と出る質問に、徳本さんはジョロウグモの先祖がネパールに源をもつことから地球の古い歴史から掘り起こして解説してくださるなど、どの質問にも丁寧に説明してくださいました。
学生時代に昆虫を選ぶ仲間たちとは違う分野をと、蜘蛛の世界に踏み込んだ徳本さんですが、この世界は少数派。だからこそ責任がある、それゆえ好い加減な返事はできないと毎日が研鑽の日々です。
英語の専門書もときどき読んでおられるそうです。地質学の勉強も数年前から始められたと聞いて参加者一同も、勉強に年齢はないと改めて思ったしだいです。
知識の連鎖は止まるところを知らず、気が付けば初秋の日は傾いておりました。
※ ブログには今回も多くを割愛しました。皆さまのご参加をお待ちします。