いつまでも色褪せない花 | 金沢・新おもてなし考

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第40回 国際ポットラックサロン「新おもてなし考」

                  2009年4月1日(水)

押し花がビジネスに


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語り手 柴田 君子 さん

 押し花作家こどもの頃に誰もが一度はためしてみた「押し花」は、やがて色あせて失意のうちにくずかごへ・・・・
ところが、真冬でも色あざやかな世界があるのです。

「あなたにパンダフルライフを」より

この道10数年、北國アマ美展に初出品で「北國賞」を受賞、以来つぎつぎと受賞作を生み出しておられる柴田君子さんから「押し花」について伺いました。


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何よりも不思議なのは、いつまでも色あせない押し花の秘密です。
それは、シリカゲルを液状にして滲み込ませたクッション紙にありました。


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この紙に花や葉を挟んで空気を遮断、重石をかけて短時間のうちに水分をとりのぞくといつまでも褪色しないというのです。
(女性陣からえ~っ、退色しない?などの声があがりました)

重石の重量や、乾燥のための時間などは素材によって様々です。
テキストにはすべて詳述されていました。押し花って科学の世界なんですね。

「珪酸を部分脱水したガラス状の透明な固体(広辞苑)」であるシリカゲルを液状化するというこの発想こそがすばらしい!


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いわゆる趣味の世界で特許をとり、いまなお商品を多く売り続けている例は珍しいことだそうです。
(考案者:杉野俊之 ㈱スギノ技研)

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押し花になった完成品を買って作品をつくることも出来ますが、柴田さんは、ご自分で庭や野山へ出かけて「拾って」きた素材を、このクッション紙をさまざまに利用して、大作をものしておられます。


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「拾う」作業は、まるで「乞食みたい」と笑う柴田さんですが、絵の世界とは全く無縁だったそうですから、どなたにでも柴田さんのような素晴らしい作品をつくりだすことは可能かもしれませんよ。

(文責:中島)